南野トマトの日常ブログ

【小説書いてみた】とある朝のできごと。その1

      2012/05/04

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とある朝のできごと。

 

朝目覚めると、ホットコーヒーの香りがした。一人暮らしをしている私は疑問に思った。なぜコーヒーの香りがするのか分からなかった。だって私は一人暮らしだ。家に誰かがいるはずがない。

だけど隣のキッチンの戸は少しだけ開いていて、やはりコーヒーのいい香りが私の鼻を刺激する。

一体誰がコーヒーを淹れたのか。もしかして誰かが勝手に部屋に入っているのだろうか。いや、そんなはずはない。だって昨日玄関の鍵はきちんと閉めた。鍵は両親にも渡していない。そう、鍵は私しか持っていないのだ。

恐る恐るベットから起き上がる。勇気を振り絞ってキッチンの扉を開けた。キッチンには美味しそうなコーヒーがマグカップに入っており、「おはよう」というメッセージが添えられていた。

ぞくりと背筋が凍った。熱々のコーヒー。だけど人の気配がない。誰もいない。右を見ても、左を見ても誰もいない。

鍵は!?

玄関の鍵は開いているのだろうか。そう思って、急いで玄関に向かった。玄関の鍵はやはりきちんと閉められていた。ドクンドクンと心臓が大きく鼓動する。

 

怖い。

 

純粋にそう思った。キッチンには熱々のコーヒー。玄関の扉は鍵が閉められている。ということは誰かがこの家にいるかもしれないということだ。誰かが私の家に潜んでいるかもしれないのだ。

私の家は部屋が一つと玄関に面したキッチン。もしかしてクローゼットに隠れているのかもしれない。そう思って、玄関の近くの大きなクローゼットをゆっくりと開けた。

 

誰もいない。

 

もしかして部屋にいるのかもしれない。そう思って私は急いで部屋に戻った。部屋のドアを開けてベッドの下を覗いた。もしかしてベッドの下に潜んでいるかもしれないと思ったからだ。

だけどやっぱり誰もいない。

 

なんで?どうして?

 

なんで誰も居ないのに暖かいコーヒーがキッチンに置かれていた?また背筋がゾクリと凍った。

 

その2に続く→「【小説書いてみた】とある朝のできごと。その2

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